中国の新産鉱物

ここ最近の中国産鉱物について

 

1990年代から経済開放政策に走った中国からは、最近やたらと良品の標本が出てきている。その勢いたるや毎年中国新産、となると、今度はどう驚かしてくれるのか、と期待してしまうくらいだ。しかし4千年の国中国、あの手この手で標本に一手間仕込んだりしてくる。ここでは中国産の最近の標本をまとめると共に、その注意点についても書いていきたいと思う。

 

     輝安鉱

輝安鉱の良結晶は比較的古くから出ていた。2002年頃ブームを迎え、最近はあまり見かけないか。しかし市場にはまだ十分あると思う。市ノ川も顔負けの良品が続々と出ている。しかも安い。注目すべきは、曲がり結晶(楽しい鉱物図鑑A参照)なども結構見かけることだ。まあ、今後もそこそこ出てくるだろう。

     辰砂

中国と言えばこれだろう。貴州省に良品を多数産出する。スペインなどでも出るが、やっぱり中国産が一番だ。

     緑鉛鉱

昔は「フランス産のパレットにしか上品はない」とか言われていたが、中国の山水画にもその鮮やかな緑は存在した。もう市場を席巻しているのでいまさら説明も要らんかも。倒坪産。

     灰重石

雲南省のどこぞのペグマタイトで産出。いいオレンジ色をした標本が多数産出。他にもここの産地ではピンクの燐灰石やアクアマリンなど出るらしい。

     満ばん柘榴石、煙水晶

一世を風靡した中国の満ばん柘榴石。でも、正直、そんなに綺麗かなあ…。まあ、コントラストとしてはいいと思う。

     炭酸青針銅鉱

QinLong,Guizhou産。漢字では分からない。河津鉱山でも産したがここのは桁違いの標本だ。

     イネス石、湖北石

イネス石といえば、カリフォルニア州、南アフリカのクルマン鉱山などあるが、中国でもなかなかしぶい結晶がでた。さりげなく新鉱物の湖北石も一緒に出ている。

     蛍石

蛍石といえば、イリノイ州が有名であるが、最近の中国産の緑色の標本も見逃せない。でかい結晶が出ている。しかし、せっかくの標本にオイルを塗ったりするのも中国人。なかなか一筋縄ではいかない。

     ヘルビン

噂では黄色い鮮やかな結晶が出るらしいが、普通に見かけるのは黒くコーティングされた水晶上の標本である。黄色いのは酸で処理したものかどうか。

     硫砒鉄鉱

立派な結晶が出ています。

     青色異極鉱

イタリアで昔ここと同じような異極鉱が出た。イタリア産は今となっては手に入らないがここので昔を懐かしむことが出来る。

     マンガンタンタル石

新彊自治区からマンガンタンタル石のいい結晶が出ている。濃赤色で結晶型もしっかりしている。おすすめだ。

     バビントン石

雲南省から最近ぶどう石に伴うバビントン石の良晶が出てきた。今後に期待。

 

以上、僕が知らないものも多数あると思います。最近になってようやく近代的な標本開発が始まった中国では、今後も予想外の産出が期待されています。

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